『Sアミーユ』元職員が証言「男性スタッフの性的虐待も」/川崎老人ホーム殺人の今井隼人容疑者「特徴のない普通の人間」

『Sアミーユ川崎幸町』で入居者を殺害したとして、元職員・今井隼人容疑者

川崎市幸区にある介護付き有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』で入居者を殺害したとして、元職員・今井隼人容疑者(23)が逮捕された。容疑者はなぜ3人も立て続けに殺害してしまったのか。

 同容疑者は高校を卒業後、救急救命士を養成する専門学校へ入学。資格を得て卒業後に事件を起こした「Sアミーユ川崎幸町」へ就職した。

 一方、職場の責任もまぬがれない。川崎幸町とは別の『Sアミーユ』で以前働いていた女性介護士が証言する。

「スタッフが人手不足というのは日常茶飯事。常に募集は出していました。手が回らず、入居者を放置することもしばしば。結果として部屋に閉じこもりがちに……。夜勤では47人を2人でみるんです」

 呼吸を整えて告白を始めた内容は衝撃的だった

「スタッフが口をふさいで押さえつけたり、蹴飛ばしたりなんてことも。男性スタッフが女性利用者の性器をいじるなどの性的虐待まで。おむつを替えるときに冗談で反応をみて楽しんでいたみたい。

 夜勤で働いているときに同僚が見たって……。そういうことをする人が近くにいると利用者さんは怯えた様子を見せるからすぐわかりました」

 そう静かに語ったが、悲しそうな表情を見せた。さらに命を預かる施設で信じがたい出来事もあった。

「もっとひどいのは、24時間体制ですぐに医師が来るように契約しているんですが、入居者が心臓発作を起こしたので医師に電話すると、“何時だと思っているんだ!”と怒鳴るんです。私は勝ち気なので言い返したら、それが問題に。

 結局、会社がおさめてくれたのですが、私はなぜか会社に怒られました。信じられないでしょう。入居者が死にそうだというのに」(前出・介護士)

 だが、さらに施設の異常は加速していく。

「目も見えず、耳も聞こえず、身動きができない利用者さんがいました。娘さんが非常にいい方で、毎週会いに来るんです。その日たまたま夜勤明けで私と交代する人が仕事をよくサボる人だったので不安に思いましたが、疲れもピークだったので帰ったんです」

 そこまで話すと、悔しそうな顔をしてうつむきながら、こう続けた。

「翌日出勤したらその利用者さんは亡くなっていました。枕にうつ伏せになり窒息死していたんです」

 巡回する個室は担当スタッフが決まっており、4回巡回する時間も決まっている。巡回した場合はスケジュール表に何時に何をしたか記入するが、亡くなった利用者の部屋のスケジュール表は真っ白だったと話す。

 この元職員が指摘するように介護施設の人手不足は、深刻な問題。今回のように殺人事件にまで発展することは珍しいが、職員のストレスは想像以上だろう。

■川崎老人ホーム殺人の今井容疑者「特徴のない普通の人間」

川崎市幸区にある介護付き有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』で入居者を殺害したとして、元職員・今井隼人容疑者(23)が逮捕された。容疑者はなぜ3人も立て続けに殺害してしまったのか。

 「すいません……」と、消え入るような声を容疑者の母親は何度も発した。その後、記者を振り切るようにして自宅マンション前のタクシーの中へ逃げ込んで走り去った。

 メガネにやや大きめのマスク、ダウンを着込み、手には紙袋があった。息子への差し入れか。午前中に家宅捜索があった2月17日午後2時ごろのことである。

 昨年9月、川崎市の有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』で入居していた高齢者の連続転落事故が発覚した。それは一昨年の11月から12月にかけて、3件も。加えて、介護職員による窃盗、虐待や、風呂での不審死まで続々と明らかになった。

 とりわけ転落事故については、窃盗で公判中の元職員に疑惑の目が向けられた。転落死のすべての日に宿直していたからである。当時、本誌もその職員を直撃したが、インターホン越しにこう一蹴されていた。

「関係ありません。マンションのほかの住人の迷惑になりますからやめてください」

 自分のことより、ほかの住人のことをことさらに言い立てたことと、冷徹な口調が妙に引っかかった。犯人でないなら“自分はやっていない”と主張するものではないのだろうか。そんな違和感が当時、記者の頭をかすめた。

 そして今年の2月15日、その元職員・今井隼人容疑者が神奈川県警によって逮捕された。警察は3件とも事故として処理し、鑑識も検証していない。なおかつ司法解剖もしていなかったため、物証はゼロだったにもかかわらず容疑者は自白したのだ。犯行の動機については、こう口にしている。

「夜勤など仕事のストレスがあって、つらかった」

 さらに、ほかの2件の転落死についても自供し、認めているという。彼と家族が住む横浜市のマンションを再び訪れた。

「お父さんはお店をやっていて、接客業だから気さくな人だった。金にならない相談にも乗ってあげるとかね。お母さんは控えめで優しい人ですよ。あのご夫婦の子どもがこんな事件を起こすとは」(同じマンションの住人)

 だが、その父親は3年前に亡くなっていた。母親は近くの保育園の園長を務める。容疑者については、中学時代の吹奏楽部の同級生が語る。

「特徴のない普通の人間だよ」

 吹奏楽部ではトロンボーンを担当していた。最初は学校に備え付けの楽器を使用するが、最終的にはほとんどの部員が自分の楽器を購入する。

「ヤツは最後まで学校の楽器でやっていた。だから熱心ではなかったですね。途中から塾に通いはじめて、部活を休むようになったんです。彼は別に勉強が好きなわけでもなかったし、部活を休む口実に塾に行っていると思いました」(前出・同級生)

 容疑者は飽きやすく、長続きしない性格だったのか。それにしても、と続ける。

「友達は少ないほうでしたが、まさか殺人とはね。仲間内でヤツの話が上がったけれど、みんな“人を殺すタイプじゃないけどなぁ”って」

取材・文/フリーライター・山嵜信明と週刊女性取材班

【引用元:週刊女性】

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