京都・朱雀高校の女子高生が妊娠騒動の深層学校の対応はマタハラ?…ネット過熱「マタニティースクールでない!」

朱雀高校で女子高生が妊娠トラブル

京都府立高校に通っていた女子生徒の「妊娠」が議論を呼んでいる。

学校側が妊娠した高校3年の女子生徒に休学を勧め、「卒業するには体育の実技補習が必要」と、妊婦にとって危険な実技を要求したと受け取れる説明をしたことが6月に発覚し、インターネットを中心に賛否両論が渦巻いているのだ。

妊娠や出産を理由に「働く女性」が勤務先から配置転換や解雇、自主退社といった不利益を受ける「マタニティーハラスメント(マタハラ)」が近年、社会問題になっている。

今回は職場でなく教育現場で起こった?騒動?だが、果たして学校側の対応はマタハラだったのか。

休学か通信制転籍を勧めた学校

学校側の説明によると、経緯はこうだ。

昨年8月、京都府内の府立高校の全日制3年生だった女子生徒が養護教諭に妊娠を報告した。

女子生徒側が同級生と一緒に卒業することを望んでいたため、学校側は教職員間で情報を共有、対応を協議してきたが、11月ごろから出産準備に専念するよう休学を勧めた。

その際、卒業するためには、体育の補習が必要になると説明したという。

さらに、この学校にはより弾力的な出席も可能になる通信制も併設されていることから、転籍もあわせて勧めることに。

結局、女子生徒は今年1月から休学し、その後無事に出産した。現在、8月からの通信制への転籍を目指している。

体育見学ではだめなのか

「学校現場としては妊娠は奨励されるべきことではない」(学校関係者)のは当然のことだろう。

ただ、今回の女子生徒は当時18歳。日本では民法上、女性は16歳から結婚できるし、妊娠・出産も可能だ。

「学業優先」だとしても実際に妊娠してしまった女子生徒がいる場合、学校としてどう対処すべきなのかという冷静な観点で考えると、今回のケースはどう評価したらいいのか。

関係者によると、女子生徒の希望をくんで同級生との卒業を目指す場合、単位取得の課題があった。

女子生徒は体育の成績が振るわず、卒業要件を満たすためには球技や持久走なども含めた実技の補習を受けなければならなかった。

病気やけがなどの場合は「特別な事情」と位置づけて出席条件を緩和し、体育を見学しても成績面で配慮する措置もとっている。

しかし学校側は今回のケースについては、「全日制では生徒の妊娠を想定しておらず、妊娠を特別な事情とは考えない」と判断した。

ここまでの話だけだと、女子生徒は、妊娠中であっても持久走などの体育の実技補修を受けるか、休学するか-の二者択一を迫られることになってしまう。

他の道はなかったのか。
学校側に話を聞くと、「明文化はしていないが、補習の内容は当日の生徒の体の状況から判断したと思う。球技や持久走など非常識にハードなものばかりを課すつもりはなく、座学などで補うことも考えていた」という。

別の関係者も「ハードな補習で母体に影響があり、万が一のことがあれば、申し開きができない。考慮するのは当然のことだ」と話した。

ただ、学校側は体育の補習について「実技にこだわらない」という話を女子生徒側に十分に説明していなかった。

女子生徒側も理解が不十分なまま話し合いが進んだとみられる。要するに、最も肝心なことが伝わっていなかったのだ。

流産リスク考えた?

女子生徒の進路や将来にかかわるデリケートな問題なのに、なぜ学校側は十分に説明を尽くさなかったのだろうか。

学校関係者は「時期的な問題もある」と打ち明けた。

この学校では卒業式は3月1日だが、女子生徒の出産予定日は4月だった。

学校側には、たとえ座学でも、臨月近くの生徒に補習を行うことは現実的には難しいのではないかという思いもあったという。

妊婦には流産など数々のリスクがある。
学校側としては、妊娠中の生徒を預かることに、躊躇(ちゅうちょ)もあったのかもしれない。

副校長は「全日制では学業と出産・子育ての両立は難しいと考え、休学して通信制に移るよう勧めた」と説明した。

ただ、今後については「時代の流れもあり、学業と出産・子育てを両立させるシステムをつくっていく必要がある」と対応を見直す考えを示した。

出席緩和「特別な事情」に妊娠含むか

京都府教委によると、出席要件を緩和する「特別な事情」に妊娠を含むかどうかについては、各校の判断に任せているという。

一方で、担当者は「生徒が妊娠したからといってペナルティーとして休学を勧めたり、体育の実技を要求したりすることはない。

今回のケースも、あくまでも出産準備に専念するよう話し合いを続けていたと聞いている」と話す。

その上で「休学を前提にせず、さまざまな選択肢を示した上で、学校、本人、保護者の3者で合意できればよかった。学校側に説明不足の面があったことは否定できない」と指摘した。

さらに、こうも付け加えた。
「妊娠した女子生徒を批判するようなことがあってはいけない。今回のケースをいろいろと教訓にしていく必要がある」

厚生労働省が平成12年に公表した「健やか親子21検討会報告書」の中には、「学校へ復帰するための支援対策の実施、さらに妊娠・出産により教育を受ける機会が妨げられることのないよう取組の推進を行う」と明記されている。

だが、妊娠・出産した生徒が学業に復帰したかといった具体的なデータはないという。

文部科学省の担当者は「最終的には生徒側の判断になるが、学業と妊娠・出産・育児の両立は可能と考えている」と語る。

その上で「妊娠に限らず、病気やけがなどで学業を続けられなくなった場合、次にどうするか-と生徒、保護者、学校の三者で話し合うことは必要。

教育に関する情報を持っているのは学校であり、休学や転籍など、生徒や保護者が知り得ないさまざまな選択肢を示す役割がある」と指摘した。

ただ、今回の学校側の対応については「休学や通信制への転籍など一定の選択肢を示している。それほど間違った対応とは考えていない」とした。

金八先生、14才の母…

生徒の妊娠は、学校現場では古くて新しいテーマでもある。

武田鉄矢さんが熱血教師を演じたTBS系のテレビドラマ「3年B組金八先生」の第1シリーズ(昭和54年放送)では、「十五歳の母」というエピソードで生徒の妊娠出産が取り上げられた。

また、志田未来さん主演の日本テレビ系ドラマ「14才の母」(平成18年放送)などを思い出す人もいるかもしれない。

「私もひとこと言いたい」と思う人も多かったのだろうか。インターネット上では議論が過熱した。

「高校生でいる間は妊娠したりせずに学業に専念しますってのが高校に入る前提かと」「男女共々軽率すぎる」…。

生活能力のない若年層の「できちゃった婚」などに象徴される無責任なイメージを投影しているのだろうか。

やはり学業優先であるべき女子生徒の妊娠そのものへの違和感を訴える声は多かった。

「学校の立場では難しい問題」

一方、昨今の少子化やマタハラ問題などを念頭に、学校側の対応を批判する声も目立った。

例えば、「学びの場だからこそ、命の重さを考えた対応が必要だったのでは」「年齢主義が強い現状の全日制高校では、少なくとも休学勧告=事実上の退学勧告です」といった具合だ。

また、民法で女性の結婚可能年齢が16歳と定められている点に触れ、「大半の生徒が在学中に結婚可能年齢に達するわけで、生徒の結婚・妊娠を想定していないのは問題じゃないのかな」「育児をしながら学校へ通えるような体制を整えるべきだ」とも。

学校側の対応を批判するのではなく、「やむを得ない」と考える人も少なくなかったようだ。

「学校という立場としてはものすごく難しい問題」「休学をすすめたのは正しい対応」などと一定の理解を示す声の中には、こんな素朴な意見もあった。

「高校は(学習)指導要領に沿って高等教育を施す機関であって、マタニティースクールではありません」

【引用元:産経ニュース】

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